放送番組センター 中学・高校に放送ライブラリーのアーカイブを提供 山脇学園高校は平和学習に活用

編集広報部
放送番組センター 中学・高校に放送ライブラリーのアーカイブを提供 山脇学園高校は平和学習に活用

放送番組センターが運営する放送ライブラリーで公開している番組を、公共施設や大学で教材として無料で活用してもらうサービスを展開している。2016年度に本格的に開始し、20年度からは中学・高校への提供の試験運用も実施している。

利用の申し込みは、授業の内容に沿った番組を同ライブラリーのウェブサイトから選び、必要な書類を提出する。同センターが著作権などの処理を行ったうえで、インターネット経由で活用できる。22年度は中学・高校7つ、大学17つの授業で活用され、これまでに延べ33校79授業で約6,100人が受講した。

東京の山脇学園高校は1―2月、長崎・沖縄への修学旅行に向けた事前学習のために同サービスを利用。学習を通じて平和や戦争を考え、現地に行った際に議論するための基礎知識になることを狙った。視聴したのは、『生きる×2 いま、共に輝いて ~方言キャスターの戦争体験~』(沖縄テレビ、2004年)や『テレメンタリー2019 伝えてくるけん 広島長崎ピースメッセンジャー』(長崎文化放送、2019年)などの計6番組。生徒からは、「戦争を歴史的事実として漠然と認識していたが、実際に傷ついた人の姿を見て衝撃を受けた」「知らないことが多いと気づけた。次の世代に伝えることの大切さを理解した」などの感想があった。同校の担当者は、「平和に対する感覚が現在と過去の番組で、同じ部分とそうでないところがある。生徒にはそれを見比べて、平和を考えてほしい」と話した。

同センターは昨年、23―27年の5か年の事業方針を取りまとめた。その具体的施策として、「番組の教育利用の対象を大学から中・高に拡大」を掲げ、利便性の向上や利用校の増加を図っている。

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