日本メディア学会 春季大会を開催

編集広報部

日本メディア学会は2023年春季大会を6月24、25日に奈良市の奈良県立大学で開催した。

個人・共同研究発表やジェンダーなど「メディアと多様性」を考えるシンポジウムのほか、13のワークショップを実施。「テレビCMアーカイブの現状と展望」「政治のメディア化」「テレビ・イベントの現在地」など多彩なテーマで討論が行われた。

「少年事件報道の『悩み』をどう克服するか」と題したワークショップでは、2022年に施行された改正少年法によって「特定少年」という新しいカテゴリーが設けられたことによる「実名/匿名報道の判断」などの課題、神戸連続児童殺傷事件の記録が廃棄されていた問題などを討論した。

神戸新聞の霍見真一郎編集委員と山梨放送の武井功報道制作局長が、それぞれ少年事件の取材現場の実例を示して問題を提起。「特定少年」を実名報道するかどうかの判断について、「実名報道は制裁と受け止められているのでは」「匿名での取材には限界があり実名でなければわからないことがある」「視聴者・リスナーや読者の知る権利に応えるため覚悟を持って伝えるべき」など、現場の記者が抱える悩みや迷いについて幅広い意見交換を行った。

裁判記録の廃棄問題については、国民の財産である貴重な記録を残していくために、メディアがもっと関心を持つことの必要性などを議論した。

メディア学会ワークショップ.JPG

24日には会長選挙を実施し、関西大の水越伸教授を選んだ。任期は2年。

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