公正取引委員会 コネクテッドTVと動画配信 独禁法上の考え方を示す 実態調査報告書

編集広報部

公正取引委員会は3月6日、「コネクテッドTV及び動画配信サービス等に関する実態調査報告書」を公表した。動画配信サービスの利用率がここ数年急増し、動画配信サービス等を利用する機器として「コネクテッドTV」が普及したことに伴い、コネクテッドTV向けOSを提供する事業者の支配力が強まってきていることが懸念されていることを踏まえ、調査を行ったもの。

コネクテッドTV向けのOSについては、AmazonとGoogleの2社がシェアの60~80%を占めており、将来的に両社の市場影響力が強まる可能性を指摘。競争者を排除する具体例として▷ランキングやおすすめ表示▷アプリの配置順やプリインストール▷データの収集・利用▷テレビのリモコンにボタンを設置――などを挙げた。

動画配信サービスについては、今後、経営統合などを通じて独占的・寡占的地位の事業者が現れた場合、交渉力が増大する可能性があると指摘。動画配信サービス提供事業者が行うこととして、▷コンテンツの対価の設定▷YouTubeにおける広告収益の配分▷コンテンツプロバイダーに対する視聴データ等の共有――などの課題を例示した。

それぞれについて独占禁止法上問題となる考え方とともに、競争法上望ましい対応を示した。公正取引委員会の今後の対応として、▷関係省庁等との連携・協力に積極的に取り組み公正な競争環境の確保を図る▷コネクテッドTV関連分野における競争の状況を引き続き注視する▷独占禁止法上問題となる具体的な案件に接した場合には厳正・的確に対処する▷海外関係当局と継続的に連携し競争環境の整備を図る――などとしている。

最新記事