米大統領予備選 スリル不足?で「スーパーチューズデー」の視聴者数低迷

編集広報部
米大統領予備選 スリル不足?で「スーパーチューズデー」の視聴者数低迷

11月の米大統領選に向けた候補者絞りみのハイライト「スーパーチューズデー」となった3月5日(火)。19時(米東部時間)から3大ケーブルニュース局(FOX、MSNBC、CNN)が生特番を放送した。22時からは地上波の3大ネット(ABC、CBS、NBC)も加わり視聴者争奪戦を繰り広げた。しかし、例年に比べると注目度が低く視聴者数も伸びなかったと米各メディアが報じている。ニールセンによるとケーブル・地上波全6局を合わせた平均視聴者数は22時のピーク時で1,140万人。前回2020年の1,900万人には及ばなかった。

一連の予備選挙は例年2―3月の火曜日に集中して行われる。「スーパーチューズデー」は最も多くの州が同時開催し、党内の候補者指名の流れを決定づける選挙日の通称だ。4年に一度、米テレビ各局が大々的に特番を組み、NFL並みの視聴者数を稼ぐこともあるテレビ局にとってはドル箱イベントでもある。

今年のスーパーチューズデーはアラバマ、アーカンソー、カリフォルニア、マサチューセッツなど16州と、準州米領サモアで予備選挙が行われた。結果は予想どおり民主党がバイデン現大統領、共和党はトランプ前大統領がそれぞれに圧勝。両党とも有力な対立候補がいない、スリルを欠いたスーパーチューズデーとなった。それがそのまま視聴者数低迷となって現れた格好だ。

2020年は民主党候補としてバーニー・サンダース上院議員(ニューハンプシャー州)がバイデン候補に迫っていたこともあり、予備選もそれなりの注目度があった。しかし今年はほぼバイデンの独走に。一方の共和党もスーパーチューズデー前に候補者が次々と戦線を離脱し、ニッキー・ヘイリー候補(元国連大使)が残った。そのヘイリーもバーモント州で勝利したものの、その翌日、予備選挙からの撤退を表明。いよいよ現実のものとなった「バイデン対トランプ」再戦のシナリオ。それが国民の投票意欲と選挙報道にどう影響するのか――。4年前と同じ候補者同士という前代未聞の展開を米メディアも注意深く見守っている。

3月5日の視聴者数レースは総視聴者数、主要階層(25―54歳)ともにFOXニュースが単独トップ。19時から深夜までノンストップで放送したのはケーブル3局で、地上波3局は22―23時枠で放送したのみ。6局が勢ぞろいした22時枠を含め放送時間帯別(米東部時間)別の平均総視聴者数は以下のとおりだった(ニールセン調べ)。

スーパーチューズデー図表.jpg

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