手話言語によるスポーツ実況をめざして 養成研修始まる

編集広報部
手話言語によるスポーツ実況をめざして 養成研修始まる

全日本ろうあ連盟は、5月25日から、スポーツ実況における手話言語アナウンサー、手話言語解説者、手話言語通訳者の養成研修を開始した。2025年11月に東京で、耳が聞こえないアスリートを対象としたスポーツ大会であるデフリンピックが開催されることを受け、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金助成事業として企画された。ろう者および健聴者の58人が申し込んだ(5月13日締め切り)。研修は、すべて手話と音声の両方で行われる。

初日のオリエンテーションで、同連盟の山根昭治理事から「今後地元で、それぞれが手話言語アナウンサーとして活動してもらえるような研修を行う。研修を終えて、来年のデフリンピックにも参加してもらいたい」とあいさつした。

実際に手話によるスポーツ実況経験がある早瀬憲太郎氏(冒頭写真)から「ろう者とスポーツ観戦」と題して講演があった。同氏は、「テレビによるスポーツ中継では、字幕がない場合が多い。ろう者の皆さんは、字幕があっても、リアルタイムではないことや、字幕が映像にかぶってしまうことがあり、楽しめない経験があるのではないか。情報をリアルタイムに伝えるためにも、ろう者が自分たちでやる手話言語による実況が必要だ」と意義を説いた。研修では、2人1組となり、競技映像を見ながら実況と解説に挑戦するなどの演習も行った。

養成研修は、8月18日までの9日間、全23コマで、座学による研修に加え、スタジオでの実技実習も行う予定だ。研修終了後、一定の基準を満たせば、「手話言語アナウンサー」「手話言語解説者」「手話言語通訳者」のうち研修生が選択したコースの修了証が発行される。(各コースの内容は下表のとおり。)

手話言語アナウンサー

手話言語を用いたスポーツ実況者

手話言語解説者

手話言語を用いたスポーツ解説者

手話言語通訳者

手話言語アナウンサーおよび解説者に音声情報を伝えるなどサポートを行う通訳者

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