自動運転時代の"次世代のITS通信"研究会第二期中間取りまとめ案意見募集 民放連「実験試験局の要件は既存免許人との合意が必要」と総務省に意見提出

編集広報部
自動運転時代の"次世代のITS通信"研究会第二期中間取りまとめ案意見募集 民放連「実験試験局の要件は既存免許人との合意が必要」と総務省に意見提出

総務省「自動運転時代の"次世代のITS通信"研究会」(座長=森川博之・東京大学大学院教授)は、7月16日に第二期中間取りまとめ案を公表し、意見募集を行った。

同研究会では、完全自動運転に欠かせない高度道路交通システム(Intelligent Transport System:ITS)のうち、主に車と道路などさまざまなモノとの通信(Vehicle to everything:V2X通信)の実用化を目指し検討を進めている。

同研究会の第一期中間とりまとめを踏まえ、総務省は「周波数再編アクションプラン(令和5年度版)」において、2026年度内を目途にV2X通信システムを5.9㎓帯の周波数帯に割当てを行う方針を示した。この帯域は放送事業用無線システムとして、送信ネットワーク用の固定局(STL/TTL/TSL)と番組素材中継用の移動局(FPU)がそれぞれ全国で100 局以上運用されている。

また、総務省は2023年度補正予算に「自動運転の社会実装に向けたデジタルインフラ整備事業」として205億円を拡充し、東北・関東・東海・近畿の各総合通信局の区域を対象に自動運転トラック実証のための放送事業用無線局の周波数移行等が開始されている。

第二期中間取りまとめ案では、①V2X通信システムの実用化に向けた実験試験局の免許交付手続きの迅速化・円滑化、②放送事業用無線局の全国的な周波数移行促進策として"新たな周波数移行・再編スキーム等"の具体化、③自動運転レベル4のトラック実証に向けた通信環境整備の在り方――などが提言されている。

民放連は8月8日に同案に対する意見を総務省に提出した。①について、"実験試験局の開設地域や周波数、空中線電力等に一定の要件を課す"措置は有効と示しつつ、要件について既存無線局免許人である放送事業者と合意することを求めた。②について、全国での周波数移行を見すえ、移行先周波数や費用負担が放送事業者の不利益にならないことを前提としたうえで、移行に際して新たに発注する無線設備の製造や工事に時間と労力を要することなどを示し、"新たな周波数移行・再編スキーム等"には放送事業者の事情を十分に反映すべきとした。

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