2月20日に閉幕した北京オリンピック。全米で独占放送したNBCUによると、今大会を地上波で放送したNBCのプライムタイム平均視聴者数は1,070万人で、4年前の平昌大会から36%減。冬季五輪中継史上最低という残念な結果に終わった。配信視聴も加えると平均視聴者数は1,140万人だった。
今回は特に開会式の視聴者数が伸びず、平均1,400万人は平昌大会から43%減と半減に近い。昨年の東京大会の開会式の視聴者数も、リオ大会比36%減だった。この2大会はコロナ禍での無観客開催などで盛り上がりに欠けたことは確か。2018年から直近の3大会が全てアジアでの開催だったため、米国で視聴者数が伸びない理由には時差の影響もあると指摘されている。さらに今大会は、開催国の中国が人権問題などで批判されていることも米国民の視聴意欲を削いだ。
NBCUにとっての北京大会での朗報は、デジタル視聴が増加したこと。NBCUが今年ニールセンに替えて採用した視聴データ測定iSpot.TVによると、開会式の配信視聴は18年から349%増と劇的に増加している。大会を通して、ピーコックを含めた全デジタルプラットフォームでの視聴時間は延べ43億分、視聴者数は延べ1億6,000万人。昨年末で閉鎖したNBCUのケーブルスポーツネットワークの代わりにUSAネットワークでの視聴者数が増えたことも、プラス要因だった。