RKK 水俣病題材にラジオドラマ

編集部

熊本放送(RKK)は11月28日、水俣病公式確認65年を機に、実話に基づいたラジオドラマ「RKKラジオホール 水俣第三中学校 還暦同窓会」(19・00―19・59)を放送した(=写真)。地方民間放送共同制作協議会(火曜会)の企画コンペ「火曜会・ラジオスピリッツ」で選ばれた企画を番組にした。

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<番組収録の模様>

脚本は「市民たちの水俣病」(1997年)など、同社で水俣病関連のテレビ番組を13本手掛けた村上雅通・長崎県立大名誉教授。独自取材で出会った水俣市民や出身者らの実体験を織り込み、水俣病と長年向き合わざるを得なかった人たちの苦悩を描いた。

演出・制作統括を務めた中村レン・ラジオ制作部次長は「水俣病の差別の連鎖や患者の孤立感は、福島の原発事故や現代のコロナ禍に通じる」と企画の背景を語った。問題の根深さから取材を拒否されることが多々ある水俣病。本作はフィクションで核心に迫り、ドキュメンタリーでは描けなかった要素を表現した。

受け取った人がそれぞれの水俣を思い描いてほしいと考え、「最初からラジオドラマとして発想した」と中村氏。水俣病が歴史上の出来事ではなく現在進行形の問題であることや、被害者は患者だけではないことを伝えたかったと話した。

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