RSK山陽放送は10月18日、創立70周年を記念した映画『新居浜ひかり物語 青いライオン』を、愛媛県のTOHOシネマズ新居浜で先行公開した。11月8日からは隣県を含む3館(岡山県・岡山メルパ、愛媛県・シネマサンシャイン重信、香川県・ホールソレイユ)でも上映し、さらに15日からは全国での公開が順次始まる。
映画は、RSKが2019年から取材を続けるアーティスト・石村嘉成(いしむら・よしなり)さん(=冒頭写真)の半生を、ドラマとドキュメンタリーを交えて描く。嘉成さんは、色鮮やかで生き生きとした動物たちの絵画や版画の創作活動を行い、注目される愛媛県在住のアーティスト。ドラマは、2歳の時に自閉症と診断された嘉成さんの成長を支える母・有希子さんを中心に展開し、障害と向き合い発達を促す療育を通じ嘉成さんが同級生に交じり学校生活を順調に送っていた矢先、有希子さんを病魔が襲う――という過去を振り返る。一方のドキュメンタリーは、父・和徳さんと二人三脚で歩むアーティスト・石村嘉成さんの今を伝える。長期にわたる密着取材から丹念につむぎだされた力作だ。
RSKは、ゴールデンタイムに放送するドキュメンタリー番組として有名な「RSK地域スペシャル メッセージ」(水[月1回]、20:00~20:55)で、嘉成さんの活動を取り上げるなど、複数のドキュメンタリー番組をこれまで放送してきた。その番組を踏まえて、原案を原憲一取締役(相談役)が、監督・脚本を三好聡浩報道制作局長代理と報道制作局の平松咲季さんが担当し、母親役は報道制作局に所属しアナウンサーでもある小林章子さんが演じるなど、多くの社員が関わり、2年がかりの撮影期間で制作された。
<前列カメラ右から、三好聡浩監督、母親役の小林章子さん、平松咲季監督>
映画公開にあたり、民放onlineでは、母親役の小林さんにお話しを伺った。小林さんはアナウンサーとして入社し、現在ニュースサイト「TBS NEWS DIG Powered by JNN 」のデスク業務などを担当している。これまで演技は経験がなく、「打診された時は本当に驚いた」と心境を明かす。嘉成さんのぶれずに創作に集中する姿勢、展覧会で朝から閉館までお客さんと対話するひたむきさに惹かれ、そのような人の作品に関われるならばと決意。アナウンサーだからこそのしゃべりを封印し、演技トレーニングを受け、役に挑んだ。自身も2人の子を持つ母親として「私も子どもの成長を通じて、親としての自信も積み重ねていると感じている。有希子さんも、きっと同じように思っていたのではないかと思いを馳せ、子どもの成長とともに母親として成長していく姿を描けたらいい」と語る。
小林さんは、母親役以外にも、香盤表(=出演者の出番や役割などを各シーンに記した表)の作成、「映倫マーク」を取得するための申請など多数の役割をこなしているが、衣装も担当している。映画内で着用した衣装のほとんどは、実際に有希子さんが着ていた洋服をご厚意で提供してもらったという(=写真㊤)。また、予告編でも映され、劇中の印象的なシーンで着用したブルーのワンピースは、自身で生地から選び、ラジオで一緒に仕事をしていたスタッフに仕立ててもらった衣装で、作品のさまざまな部分で「放送局員としての今までのご縁が詰まっている」と小林さんは語る。
劇場公開は、11月15日から池袋シネマ・ロサ(東京都)およびkino cinema神戸国際(兵庫県)、11月23日からシアターセブン(大阪府)、1月17日からサツゲキ(北海道)などが決まっている(最新の上映情報はこちら)。また、11月15日には、全国公開を記念して、池袋シネマ・ロサで初日の出演者、監督、スタッフによる舞台挨拶を行う(詳細はこちら)。
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