2023年春のローカルテレビ改編(プライム・深夜帯) トレンドを番組に昇華

編集広報部
2023年春のローカルテレビ改編(プライム・深夜帯) トレンドを番組に昇華

民放onlineは今春のローカル新番組について、地上民放テレビ127社にアンケートを行った。この回答から今回はプライム・深夜帯の番組を紹介する。地元をさまざまな角度から取り上げる番組や、"バズ"や視聴者との双方向性を意識したもののほか、音楽・トーク番組が登場した。

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地元ならではの情報を

2013年から毎年、大型自社制作番組に取り組んでいる三重テレビは、その第11弾として教養ドキュメンタリー『NINJA~忍び者の生きる道~』(=写真㊤、第4土、21・00―21・55)をスタートした。伊賀流忍術発祥の地であり、忍者にゆかりのある三重県。新型コロナの行動制限緩和や2025年の大阪・関西万博を機に、同社はインバウンドを見据えて忍者をテーマに選んだという。現存する資料は少なく、いまだ謎につつまれたままの忍者に、メインパーソナリティのつるの剛士さんが迫る。三重大学の国際忍者研究センター副センター長を務める山田雄司教授の監修のもと、幅広い世代にわかりやすく届けており、視聴者からは好反応を得ている。

今年開局70周年を迎え、自社制作番組のさらなる強化を目指すRSK山陽放送は、水曜19時に放送していた『VOICE愛』を『VOICE de GO!』(水、19・00―20・00)にリニューアル。「地域ど密着」をコンセプトに、同社の宮武将吾アナウンサーが折り畳み式EVキックボードに乗り、あえて行き当たりばったりで地元のグルメや名物を調査する。LINEの公式アカウントで視聴者から情報を募集し、取材先を決定するといった試みも行っている。

この春に平日夕方帯を大幅に改編した静岡第一テレビは、夕方の情報バラエティ『まるごと』(月―金、18・15―19・00)のゴールデン版『まるごとGOLD』(金〔月1回〕、19・00―19・56)を始めた。同社制作番組として初めてのゴールデンタイムのレギュラー番組。地元の飲食店の人気ベスト3を当てる「エモ食堂『まんぷくビンゴ』」や静岡と浜松を比較する「シズオカ噂の境界線」といった、静岡にまつわる企画を展開していく。

TVQ九州放送は、約10年半続いた『土曜の夜はおとななテレビ』を終了し、同帯に『福岡お役立ち情報バラエティ たくなる』(土、18・55―20・00)を編成。福岡のグルメや注目スポットなど、視聴者が「食べたくなる」「行きたくなる」情報を伝える。毎回「今週のイチ麺」と題し、芸人のパラシュート部隊とブルーリバーの4人が福岡の麺料理をプレゼンするコーナーを放送している。

"バズ"を目指す

愛媛朝日テレビは、"バズり"を目指すバラエティ番組『#えひめジャーニー』(水、25・50―26・20)を3カ月限定で放送。知名度のない俳優、人気者になりたいアナウンサー、番組に出たい大学生タレントが県内各地を巡る。地元のインフルエンサーやフォロワーの多い企業に知見を聞き、番組公式SNSアカウントのフォロワー数増加を目指す趣向だ。SNSの知見を得ることで、営業の提案力強化につなげることを目的の一つとしている同社。番組では取材先にSNSのフォローと投稿を依頼する流れを組み込み、取材先との関係づくりにも一役買っている。

毎日放送の『あれみた?』(月―水、23・56―24・26)では、30分の枠を3分割し、毎日3つのコンテンツを放送する。さまざまな人気芸人が毎週10分ずつ、「公園づくりプロジェクト」や「恋愛リアリティショー」をはじめとした多種多様な企画に取り組む。各部署の協力のもと、バラエティや報道などジャンルにとらわれない企画に挑戦しヒットを目指す。レギュラー放送前の3月30日には『コンテンツ開発会議』と題した番組を生放送。視聴者から番組タイトルや見たい企画を募集し、YouTubeでも配信した。

視聴者と双方向に

新潟テレビ21は、開局40周年記念番組『あなたのありがとう届けます』(金、19・54―20・00)をスタート。心に残っている「ありがとう」を伝えたいエピソードを視聴者から募集し、オリジナルマンガとして再現する。エピソードをもとにシナリオを作成し、地元のイラストレーターや専門学校の学生の協力のもと、マンガに仕上げている。すでに40ほどのエピソードが寄せられ、随時募集を行っている。第1回では、ASDの息子を持つ母親から当時息子が通っていた保育園へメッセージを発信。放送後、保育園から母親へ「励みになった」との反応があったという。

<『あなたのありがとう届けます』1話>

メ~テレは昨年に開局60周年を迎え、そのアンバサダーを同社の望木聡子アナウンサーが務めており、この春入社した尾形杏奈アナ、松崎杏香アナも加わった。幼稚園・保育園での紙芝居の読み聞かせなどをはじめ、さまざまな取り組みを行っていく。その一環として『アナたのメ~ロメロ!』(月―木、24・15―24・20)を組み、地元の自慢や家族の様子など、視聴者から寄せられた身近な"癒し"の映像を紹介する。

音楽を届ける

チバテレは、昭和歌謡を楽しむ『トークと歌とものまね酒場~トゥーモ~』(=写真㊦、木、21・00―21・30)を編成。昭和生まれに懐かしく、若者にもブームとなっている昭和レトロな名曲に再注目したという。カラオケスナックを舞台に、栗田貫一さんらレギュラー出演者とゲストがトークやカラオケを楽しむ。さらに毎回本物の料亭の女将やスナックのママが登場し、お店や自慢の料理の話などを繰り広げる。

★メイン_トゥーモ.JPG

テレビ西日本は、トライアル枠「バラ1本!」で不定期で放送していた『福岡に音楽番組をつくりたい!』(第2水、24・25―24・55)をレギュラー化。ゲストのアーティストに応じた企画に取り組み、素顔を届ける。メンバーゆかりのスポットや、福岡を観光したことがないというゲストにおすすめしたいスポットなどを巡るほか、番組MCを務める音楽プロデューサーの松隈ケンタさん、芸人のおほしんたろうさん、HKT48の秋吉優花さんがゲストとともにスペシャルセッションを奏でる。放送するたびに番組名やゲストアーティスト名がTwitterで福岡地区のトレンドに入るなど反響も大きいという。

新たな未来を語り合う

『オケハザマってなんですか?』や『プロフェッサーZ』など、火曜深夜でユニークなトーク番組を展開してきたRKB毎日放送は、新しい価値観に気づかせるトークバラエティ『コモンセンス~常識を疑え~』(火、25・28―25・58)をスタート。インフルエンサーやクリエーターなどが「気になる」「変えたい」常識を深掘りし、新しく作り上げた新常識"番組的ニューコモンセンス"を視聴者に提案する。

北海道文化放送は、地元の未来と経営を語り合う番組『BOSS TALK』(火、24・25―24・45)を編成。2021年10月から1年間放送し、半年の充電期間を経て再スタートした。同社の廣岡俊光アナウンサーが、北海道の活性化を目指すビジネスパーソンに質問をぶつけ、事業内容や今後の展望を引き出していく。地元ビジネス界の一部では高い評価を得ており、「幹部の経営教材に使いたい」といった声もあるという。

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