2023年春のローカルテレビ改編(午前・午後帯) 未来に向けて今できることを

編集広報部
2023年春のローカルテレビ改編(午前・午後帯) 未来に向けて今できることを

民放onlineは今春のローカル新番組について、地上民放テレビ127社にアンケートを行った。この回答から今回は午前・午後帯の番組を紹介する。地元の景色や情報を発信する番組のほか、子どもやバーチャルをテーマとしたものが登場した。

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地元の景色届ける

誕生150年を迎えた栃木県を放送エリアとするとちぎテレビは、自社のアーカイブ映像を紹介し、地元の歩みを映し出す『映像のとちぎ』(=写真㊤、日、9・00―9・15)をスタート。同社が所有する昭和30年代からの映像に加え、地域に眠る映像も今後発掘し放送していく予定だ。小島宏子・編成部長は「さまざまな切り口で取り上げ、県民にふるさとの魅力を再発見してもらいたい」とコメントした。

びわ湖放送は、生物多様性や気候変動などの課題をテーマにした『琵琶湖まんだら』(第3土、18・15―18・30)を組んだ。番組タイトルは、2009年に滋賀経済同友会が「生物多様性保全」に取り組む研究会を発足した時に提唱した言葉を引用。琵琶湖とその周辺に広がる食や文化にフォーカスし、未来を描くヒントを探る。番組を共同制作するエフエム滋賀ではラジオ版(木、13・30―13・55)を放送している。

中京テレビは、田村浩平アナウンサーと気象予報士の比連崎実さんがごみ拾いの旅に出るミニ番組『ピカピカ旅 タムヒレの海岸ごみ拾い』(月、11・18―11・20)を始めた。毎週金曜にごみ拾いを行い、愛知と三重の海岸の制覇を目指す。道中で出会う人やものから海の問題を考える。北日本放送は、ミニ番組『TOYAMAソラサンポ』(金、18・55―19・00)で地元の観光名所や名跡の空をドローンで撮影し、視聴者に届ける。山々に囲まれた富山ならではの自然や、植生や野生生物を映す。YouTubeでは4K映像の動画を配信する。

夕方ワイドを刷新

日本海テレビは、『おびわんっ!』(月―金、16・20―16・50)をスタート。山陰地区にゆかりのあるMCとゲストが地元の話題を語り合う生放送のトーク番組だ。ラジオパーソナリティの経験があるマジシャンのゆーきさんと、即興書家のTADAさんをMCに起用した。同地区のケーブルテレビとのタイアップ企画や、新たなローカルタレントをリポーターに起用する中継など、さまざまなコーナーを展開する。

青森朝日放送は、26年続いたニュース番組『スーパーJチャンネルABA』を終了し、『ハレのちあした』(=写真㊦、月―金、16・20―16・45、18・15―19・00)を編成。新型コロナをきっかけに大きく変化した視聴者ニーズに応えるべく、大幅な改編を行った。「きょうよりあしたがもっと良い1日になりますように」という思いを込め、県民の生活に密着して幅広い世代に親しまれる番組を目指す。曜日ごとに「ハレのち〇〇」と題したコーナーを設け、暮らしやスイーツ、エンタメ情報を取り上げるほか、視聴者がスタジオに登場して情報発信するコーナー「ハレのちコンニチハ」などを届ける。

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6年続いた『報道ランナー』を終了した関西テレビは、報道番組『newsランナー』(月―金、16・45―19・00)を始めた。ニュースの枠を拡大し、記者や専門家のスタジオ解説を充実させる。発信者の顔を見せることで、信頼の獲得を目指す。番組に寄せられた素朴な疑問を調査する「取材依頼届きました。」やニュースサイトFNNプライムオンラインのアクセスランキング上位のニュースからローカルネタを紹介する「なにそれ!?ネットニュースランキング」をはじめとしたコーナーを放送する。

北陸放送は、13年続いた『レオスタ』を終え、新たに『Atta』(月―金、18・15―18・55)を編成。「あったこと」「出会った人」「あったかいストーリー」などを取材し、前向きになれるニュース情報番組を目指す。同エリアの北陸朝日放送は、『ふむふむ』(月―金、17・33―17・50、18・15―19・00〔金、―18・45〕)を始めた。日常のあらゆることを視聴者と一緒に学び、思わず「ふむふむ」と言いたくなる報道や生活情報を届ける。

将来のために

子育てをサポートする趣向の番組も見られた。読売テレビは、『こどもちょうせんバラエティ いろりろ』(=写真㊦、日、6・30―7・00)をスタート。自立心・独立心を育むための重要な時期と言われる4―6歳の子どもたちとその親に向け、子どもの主体性を育てることを目的に自発的に動く楽しさを伝える。見終わった後も子どもたちが1日中遊べ、自ら考えて体と頭を動かせる内容を届ける。子どもの脳の発達を研究する京都大学大学院教育学研究科の明和政子教授の監修のもと、親が安心して子どもに見せられる番組を目指す。鹿児島放送は、『かごしま マグマっこTV』(第1―3金、18・45―18・50)で、親子で楽しめるイベント情報や施設を紹介。鹿児島市の子育て支援の助成制度や妊娠・出産の支援などの情報も届ける。

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「クラウド」にフォーカスを当てたTOKYO MXは、情報番組『バラいろダンディ』のスピンオフ番組『クラウドダンディ』(隔週土、17・55―18・25)を編成し、クラウドにまつわる話題を取り上げる。『バラいろダンディ』のスタジオをバーチャルで再現したセットや、視聴者がメタバース空間にアバターで参加して収録を観覧できる試みなどを実施している。収録中に観覧者は出演者にリアルタイムで意見や質問ができる。南日本放送は、AIリアルタイム音質変換ソフトで声を生成している同社バーチャルタレントのみなみが出演する情報番組『キニナルみなみ』(金、9・55―10・25)をスタート。森万由子アナウンサーとともに、商品やサービス、イベントの情報を届ける。また、みなみは県政広報番組『#かごしま』では県からのお知らせを案内する。

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