2024年秋のテレビ改編①(午前・午後帯) 地元に注目、"振り返り"も

編集広報部
2024年秋のテレビ改編①(午前・午後帯) 地元に注目、"振り返り"も

民放onlineは今秋の新番組について、民放連会員の地上テレビ127社と衛星放送13社にアンケートを行った。地上テレビの自社制作ローカル新番組と衛星放送の自社制作新番組の回答から、今回は午前・午後帯を紹介する。地元に焦点をあて、魅力の紹介や応援を行うほか、過去の題材を扱う番組が目立った。

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魅力・雑学を届ける

沖縄テレビ放送『友近×ありんくりんのい~あんべぇ』(土、10:55~11:25=写真㊤)は、友近さんと沖縄出身のお笑いコンビ・ありんくりん、そして不定期で沖縄出身のお笑い芸人・じゅん選手さんも加わって即興コントを演じつつ、県内を巡る。今年3月に九州で放送された同局企画の特番で初共演した友近さんとありんくりんが、YouTubeで共演するなど仲を深めていたことから、レギュラー番組を企画し、実現に至った。「いーあんべぇ」は、良い塩梅が語源のうちなーぐち(沖縄の方言)で「いい気分・心地良い状態」を表す言葉。出演者の仲睦まじい姿や沖縄の人や文化の魅力をお茶の間に届け、視聴者にも「いーあんべぇ」になってもらいたい思いから名付けた。即興コントと"街ブラ"も良い塩梅に届ける。番組ディレクターは、「即興コントをどう表現するか頭を悩ませた。ロケの流れで発生するからこそ、出演者の皆さんの掛け合いの中でいつ始まってもいいように準備している」と明かした。

わざわざ調べるほどのことでもない些細な日常の疑問を調べあげ、福岡の意外な面白い一面を紹介するのが、TVQ九州放送『はてなのてん』(土、18:30~18:55)。MCは元HKT48の村重杏奈さんが務める。疑問符「?」の点は何のためにあるのか、気になったことがある人も説明できる人はそういないだろう。そんなことを調べてみる番組という意味でこのタイトルに。同局でこれまで見たことのない番組にしたいという思いから、あえてフリーのクリエイターを探して編集やCGを依頼、収録も東京のクロマキースタジオで行っているという。プロデューサーを務める制作局制作部の大庭圭介氏は、「深く考えずのんびりゆったりと見てほしい。役には立たない内容だが誰かに言いたくなる番組にしたい」と述べた。

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新たな帯番組

東京メトロポリタンテレビジョンは朝と夜に新しい番組を始めた。『おはリナ!』(月~金、7:00~8:00)は、プライベートも仕事面も大きく様変わりし始める27~34歳の男女をターゲットにした情報番組。キャスターは月曜から木曜をフリーアナウンサーの山本里菜さん、金曜を同局の田中陽南さんが務め、ナレーションは声優が月替わりで曜日ごとに担当している。番組プロデューサーで報道局報道部の野﨑雅史氏は、「朝の忙しい時間に"ながら視聴"でも視聴者にプラスになる情報を届けられるように意識している」と話す。これまで同局の朝番組を務めていたジャーナリスト堀潤さんとフリーアナウンサーの豊崎由里絵さんは、『堀潤 Live Junction』(月~金、18:00~19:00 ※18:55終了の場合あり)を担当。「あなたと社会は、Newsでつながる。」をコンセプトに掲げ、視聴者と社会を結びつけるJunction(交差点・合流点)としての役割を目指す。

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中京テレビ放送『あさドレ♪』(月~金、5:50~6:54)は、「朝の"みじたく"のお役に立てるように」という願いを込めたタイトル。入社2年目の中川萌香アナウンサーがMCを務め、家族の会話のきっかけになるような生活情報を伝える。同局が朝に自社制作の帯番組を編成するのは、2011年にスタートした『おはZIP!』以来13年ぶり。そのため、経験値のあるスタッフは限られ、ほぼゼロからの立ち上げだったという。エリア情報ではなく、"エリア生活情報"を視聴者に届けることを意識し、生活の一部になる番組を目指す。南日本放送は『MBCごごナウ』(月~金、15:40~15:49)をスタート。その日に起きた鹿児島の出来事をいち早く伝える。

子どもや選手を応援・紹介

九州朝日放送が始めた『久光製薬PRESENTS のびしろ応援団』(土、11:30~11:45)は、スポーツに真剣に取り組む小中学生にフォーカス。頑張りたいこと、できるようになりたいことといった"のびしろ"を福岡出身のお笑い芸人・ノボせもんなべさんが応援し、手伝う。取材対象者の子どもとの関係構築が重要で、初回放送は合計6回の取材を敢行。親世代の視聴者の共感を得られるようにできる限り親子のやり取りや、自宅での食事シーンなども撮影している。番組放送後、取材希望の連絡が複数寄せられているという。番組担当者は「子どもたちの真剣な眼差しと挑戦する姿を描き、視聴者に勇気を与える番組を目指している」と話した。

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びわ湖放送『輝け!湖国のアスリート』(水、18:10~18:15)は、2025年に国民スポーツ大会(旧国民体育大会)・全国障害者スポーツ大会の開催を控える滋賀県で未来に向かって取り組む選手たちを紹介する。

"振り返る"

BS朝日『関口宏の雑誌の記憶』(土、16:00~16:30)は、評論家・大宅壮一氏の雑誌コレクションを引き継いだ日本で初めての雑誌図書館「大宅壮一文庫」を舞台にした番組。関口宏さんが自らの体験や記憶を掘り起こしながら、当時を知るゲストとともに物事の「本質」に迫っていく。同文庫に所蔵されている明治時代以降の約150年分の雑誌から「ピックアップするテーマや出来事の選定と、放送のための許可取り」が工夫であり苦労でもあると、プロデューサーを務める編成制作ビジネス部の大木由起子氏。「明治から令和までの人々の生きざまが凝縮している雑誌から、人々は何を考え生きてきたのか、そこから現代につながる有用な何かを探せるとよい」と語った。

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RKB毎日放送『RKB NEWS DIG』(金、9:55~10:07)は、直近1週間で同局がJNN28局のニュースサイトアプリ「TBS NEWS DIG」で配信したニュースの中から地上波で放送され、関心の高かったエリアのニュースをランキング形式で伝える。そのほか、過去の放送内容から反響が大きかったものを伝える番組もスタートした。北陸朝日放送『ふむふむmini』(土、11:00~11:15)は平日夕方帯の報道情報番組『ふむふむ』の特集の中から、東海テレビ放送『スイッチ!増刊号』(土、10:25~11:25)は平日朝帯の情報番組『スイッチ!』の人気コーナー「DAI★さんぽ」を中心に、再編集して届ける。

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