2024年春のローカルテレビ改編①(午前・午後帯) 地域の人とのつながりを番組に

編集広報部
2024年春のローカルテレビ改編①(午前・午後帯) 地域の人とのつながりを番組に

民放onlineは今春のローカル新番組について、地上民放テレビ127社にアンケートを行った。この回答から今回は午前・午後帯を紹介する。視聴者との交流や夢をかなえる番組のほか、風景をはじめとする地域の"資産"を紹介するものが目立つ。

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地元の魅力を深堀り

長野朝日放送『藤森慎吾の信州観光協会』(日、16:55~17:25、=写真㊤)は、2023年度に4回シリーズとして放送された番組がレギュラー化。「アポはないけど、アテはある」をキャッチコピーに、SNSで寄せられる情報を頼りに信州のディープな魅力を発掘・発信する。長野県諏訪市出身の藤森慎吾さんが、勝手に「信州観光協会 事務局長」を名乗り、寄せられた"推し情報"をもとに各地をめぐり、地元の人とも交流。ディレクターを務める村井洋太郎氏は、「テレビ局の人が作る番組ではなく『長野県民みんなで作る番組』を目指している。多くの人を巻き込みながら、地元局ならではのアットホームな番組にしていきたい」と話す。同局のウェブサイトでは、放送で訪れた取材先を地図にまとめている。

愛媛県伊予市出身の水田信二さんが、月替わりゲストを迎えて愛媛の楽しみ方や魅力を元料理人らしくレシピとして発信していく、南海放送『ミズタのレシピ!』(日、12:55~13:25)。お笑いコンビ・和牛が24年3月末で解散したことにともない同局の『和牛のA4ランクを召し上がれ!』は終了したが、水田さんが6年間の番組をとおして愛媛県を大切にしていた姿から新番組をスタートした。愛媛県民との触れ合いも増やすことで、県民にとって身近な番組になることを目指している。番組に出演する高野真子アナウンサーは、「家族みんなでテレビを囲み、会話や出かけるきっかけになるような番組にしたい」と語った。

毎日放送『土曜のあさはほめるちゃん』(土、6:30~7:30)は、お笑いコンビ・なすなかにしが、関西の気になるエリアの「ほめポイント」を見つけながら、街を散歩する「ほめブラ番組」。こちらも取り上げた場所を「ほめマップ」として番組のウェブサイトに掲載している。

人にスポット

4月に開局55周年を迎えた富山テレビ放送が始めた『ダイブツのイマダ!』(土、18:30~19:00)は、県民参加型のエンターテインメント番組。今田耕司さんが声を担当する番組キャラクター「イマダイブツくん」が、街頭インタビューや同局のアプリ、SNSなどから募集した県民の夢や願いをかなえ、身近な疑問にこたえる。制作体制は撮影をフジテレビのスタジオやリハーサル室で行い、編集の仕上げや音効などをキー局の番組を担当している構成作家や制作会社の協力を得て行っているという。「テレビ界の最前線で活躍されているタレントを起用したレギュラー番組で、制作スタッフの大きな刺激になっている」とプロデューサーを務める吉村尚郎・報道制作部長。「視聴者の共感を得られ、多くの人の笑顔につながる企画選定に努めていく」と熱を込めた。

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名古屋テレビ放送が愛知トヨタとタッグを組み立ち上げた番組が、『夢の1DAYパス』(土、11:00~11:30)。夢の職業に憧れを持つ人"ドリーマー"に職業体験ができるパスを進呈し、体感・実感する様子に密着するとともに、かなえる側であるその職業を極めた"スペシャリスト"の知られざる姿や、生きざまを伝える。"ドリーマー"は子どもに限らず、全世代をターゲットに。番組の締めくくりに"スペシャリスト"からの感想を伝える場面を必ず入れている。夢を体験する側と、その夢をかなえる側の双方が、体験を通じて「やってよかった」を再発見してもらうことが番組の狙い。「番組を通じて、夢を目指すきっかけになってもらえたらよい」と太田雅人・セールスソリューション部マネージャーは述べた。

岡山放送『CONNECTOR』(日、8:55~9:00)は、篠田吉央アナウンサーが、岡山・香川エリアで活躍する人にスポットをあて、人生の転機や未来への展望を聞く対談番組。全編に手話を付与して放送している。

風景・モノ

能登半島地震被災地の早期復旧復興への願いを込めて、テレビ金沢が組んだ『能登のきらめき~いつも心に~』(日、11:25~11:30)。2014年から3年にわたって放送された同局の『能登のきらめき』の映像をベースに、他の番組で撮影した映像も加えて、能登の美しい風景を集めた番組。2014年の春から2017年の年明けまでの期間に撮影された映像を使用している。辻雅由・報道制作局長は「心に残るかつての能登の光が、能登の未来の道しるべになれば」と思いを述べた。今後、『能登のきらめき』の映像を能登のイラスト地図にマッピングしたウェブサイトを展開する予定。

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サガテレビ『佐賀発佐賀行き 時間旅行』(月~金、11:25~11:30、土・日11:45~11:50、金、22:52~22:56)は、同局のアーカイブに残る昔の佐賀の映像をテーマごとに厳選した映像集を届ける。テレビ山梨『やまなしモノづくり アスメイド』(第4土、18:55~19:00)は、機械・電子機器やジュエリー、織物といった地場産業などを中心に山梨県内の企業や団体を取り上げ、ものづくりの魅力を伝える。千葉テレビ放送『ちば文化資産』(水、9:25~9:30/日、8:30~8:45)は、千葉県内にある文化資産の中から、県民参加によって選ばれた多様で豊かなちば文化の魅力を特徴づけるモノやコトを紹介する。

日曜の朝

秋田テレビは、『あだまっこ体操!』(日、6:25~6:30)をスタートした。「あだまっこ」は秋田弁で「頭」のことで、計算問題や間違い探しなどを出題し、視聴者がそれを解いて、頭の体操にしてもらう。同局のキャラクター「ぽちぱ」も起用し、認知度向上を目指している。問題は子どもから大人まで楽しめる難易度に調整、飽きないような内容や種類を"中の人"が考えているという。編成業務局編成部の鎌田広重氏は、「日曜の早朝から頭の体操をして楽しい休日に。そして、世代を問わず楽しい時間を過ごしてもらえれば」と語った。

<『あだまっこ体操!』4月7日放送分

テレビ神奈川の『仮免ライヤー』(日、6:55~7:00)は、平日夜に放送している『関内デビル』で4月に始まったミニドラマ形式のコーナーを放送。『関内デビル』の出演者の中島来弥さんこと、さわポンが扮するヒーロー「仮免ライヤー」が謎の悪の組織から神奈川の平和を守るために戦う。「ヒーローと言えば日曜朝......!?」ということでこの時間での放送に。

ワイドのニュースを刷新

テレビユー福島は、初めて報道部と制作部が共同で制作する『ステップ』(月~金、18:15~19:00)をスタートした。「あすへの一歩を踏み出そう」を合言葉に、これまでの一日がわかるわかりやすいニュースに加えて、視聴者の役に立つ生活情報を強化。身近な番組になることを目指す。以前の番組と比べて、スタジオでの展開や出演者同士のかけあいを増やしているという。報道制作局制作部の今野貴哉氏は「一人でも多く前向きな気持ちになってもらえるように番組もステップアップしていきたい」と語る。

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札幌テレビ放送は、生放送のニュース枠を新設し『ストレイトニュース11』(月~木、11:00~11:55)を組んだ。最新ニュースやスポーツ情報、天気予報を柱に「午後までに知りたい」「これからのお出けに役立つ」情報を届ける。鹿児島放送は、『News+おやっと!』(月~金、17:33~17:50、18:15~18:55〔月、~18:40、金、~18:45〕)を始めた。タイトルに鹿児島弁で「お疲れさま」を意味する「おやっとさあ」の気持ちを込め、「おやっ?」と疑問がわきそうなポイントをやさしく読み解く。

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