在京ラジオ社 2025年春の改編 出会いの春を彩る旬なパーソナリティの冠番組が多数スタート

編集広報部
在京ラジオ社 2025年春の改編 出会いの春を彩る旬なパーソナリティの冠番組が多数スタート

在京ラジオ各社の20254月新番組が始まった。各社とも、旬なパーソナリティによる冠番組をスタートさせ、新しいラジオ番組と出合える編成となった。本稿では、おすすめ番組を中心に、各社の取り組みを紹介する。

2025年春。新しい朝を。新しい出会いを。新しい仲間と。」をコンセプトに31.1%の改編を行ったTBSラジオ。後藤一・編成戦略部長はリスナーの生活リズムに合わせた編成を意識したとし、「新番組はさまざまなジャンルと年齢のパーソナリティを起用し、幅広いリスナーに寄り添う」と話す。平日の朝を新しく彩る『Brand-New Morning』(=写真左上、月~金、5:006:30)は、仕事と子育てを両立させるフリーアナウンサーの大島由香里さん(月~木)、純烈・酒井一圭さん(金)が担当。また、月~木の22時台には放送枠を新設、ゲームクリエイターやプロボクサーなど多才なパーソナリティが登場する。同枠水曜の『佐倉綾音 論理×ロンリー』(=写真左下、水、22:0022:55)は、人気声優・佐倉綾音さんによるTBSラジオ初のレギュラー番組。金曜朝にはテレビバラエティ番組のMCでおなじみの今田耕司さんが『今田耕司のお耳拝借!金曜日』(=写真右上、金、8:3011:00)で生放送。今田さんならではの豪華なゲストにも注目したい。日曜は『Angie Radio!!~夢は口に出せば叶う!~』(=写真右下、日、12:0012:55)が枠を変更してスタート。「ラジオの新星」として注目のアンジェリーナ1/3さんが、満を持して生放送を務める。『安住紳一郎の日曜天国』『爆笑問題の日曜サンデー』という日曜の二つの看板番組に挟まれた時間帯での放送について、後藤氏は「彼女への期待を込めました」と語る。

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<TBSラジオ この春のイチ推し新番組>

文化放送は引き続き、日中は"オトナ世代"に向けた番組、夜はアイドルや声優、VTuber、ゲーム実況者などによる"推し活"コンテンツを編成している。『長野智子アップデート』(月~金、15:3017:35〔月、~17:00〕)と『ますだおかだ岡田圭右とアンタッチャブル柴田英嗣のおかしば』(日、10:0013:00)は放送時間を拡大。"推し活"コンテンツは、42から54番組に増やした。火曜の27時から27時半は「QloveR SP」と題して、週替わりで番組を放送。第3週の『Crazy Raccoon Radio』は、eスポーツチーム「Crazy Raccoon」の所属メンバーが、ゲーム中心のライフスタイルや最新ゲーム情報を語る。第1週はVTuber・花宮莉歌さんの『花宮莉歌の恋してらじお』、第2週はVTuber・赤見かるびさんとゲーム配信者のズズさんの『赤見かるびの「お笑いかるび塾」』、第4週は声優・鈴原希実さんの『鈴原希実の明日はなんしちょっと?』を組んだ。配信の世界で活動しているVTuberやゲーム実況者などをラジオで起用することついて加藤慶・コンテンツ局長は、「配信は構成のないしゃべりの一方で、ラジオは放送作家がいる。コーナーを設け、リスナーからのメールをもとにした厚めのコミュニケーションに出演者も価値を見いだしている」と語った。また、動画メディア「ReHacQ」とコラボした『ReHacQ R大学 教養学部』(火、26:0026:30)もスタートした。

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文化放送は『Crazy Raccoon Radio』をスタート>

「ミュージック、グローバル、ダイバーシティ、キュリオシティ」の4つの編成方針を掲げるinterfm。この春、台湾のFM局が制作する『ASIA POP 40』(土、13:0013:55)を新たに編成する。番組はアジア地域の最新音楽トレンドを紹介し、アジア9カ国で放送中だ。「番組と連携し、アジア地域に向けて日本の魅力を届けることにも挑戦していきたい」と砂井博文・コンテンツビジネスユニット統括は、同番組をinterfmとグローバルとの接点と位置付ける。また、1週間の始まりである月曜の早朝に『Beyond K-point』(月、5:106:00)を開始した。DJは、365345分に起床しランニングなどをする投資家・田中渓さんが務め、金融リテラシーや忙しい毎日でもインプットし続ける方法などを伝える生放送の番組。「人生の支えだったラジオの中の人になりたい」という田中さんの思いに応え、自身もランニングをしながら聴いていたという早朝のラジオ生放送を同番組で実現した。土日のイベント情報など伝える生放送番組『PLAY ON』(金、14:0015:00)や、オーディション番組に挑戦後にソロアーティストとして新たな1歩を踏み出した鈴木凌さんの『鈴木凌、幸せになってもいいですかっ?』(水、23:3024:00)、シンガーソングライターの矢作萌夏さんが毎週弾き語り生演奏を披露したり、好きな楽曲の魅力を深掘りしたりする『矢作萌夏の週末音楽室』(日、23:3024:00)などの新番組も始まっている。

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<ビジネスパーソンに聴いてもらいたい『Beyond K-point』>

ラジオNIKKEIは、第1放送について「知識を増やし、心を満たす」をコンセプトに、番組の放送時間の変更を大胆に行い、平日夜に2つの番組ゾーンを誕生させた。18時から1930分は、「あの人と一緒に学ぼう!」タレント番組ゾーンとして、『前田公輝のヒラケテヒラク』※(火、19:0019:30)、『ティモンディ前田裕太の学べばわかる!マネー大学』(水、18:0018:30)を編成。このゾーンで、新番組『RainTree仲俣美希のニュースフォレスト』(金、18:4519:00)が始まった。20251月にデビューしたアイドルグループ「RainTree」のメンバーである仲俣美希さんが気になるニュースの解説を聞きながら、社会・経済について学んでいく。2130分から23時は「耳から始める自己成長」と銘打ち、大人の耳活番組ゾーンとして働く人に向けて、『吉野直也のNIKKEI切り抜きニュース』※(水、21:3022:00)『NIKKEIで深読み 中国経済の真相』※(木、22:3023:00)などを編成。幡野裕樹・編成部長は、「仕事終わりのタイミングでも、タイムフリーで翌朝の仕事前のタイミングでも、ビジネスパーソンに聴いてもらいたい番組を集めた」とねらいを語る。また、ラジオNIKKEIは全国放送である強みを生かし、近畿圏の大阪・関西万博PRサプライヤーとして万博を盛り上げていく。
※はいずれも、放送時間を変更した番組

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<ラジオNIKKEIの新番組『RainTree仲俣美希のニュースフォレスト』>

4月に開局55周年を迎えたTOKYO FMは、429日に特別番組『Life Time Music~あなたとつくる55年目のプレイリスト』を9時から20時の11時間にわたって生放送した。春改編では、新番組『菊池風磨 hoursz』(日、11:0011:30 =冒頭写真)をスタート。アイドルグループtimeleszの菊池風磨さんが、自分の言葉でじっくり語るとともに、ゲスト回では番組でしか聞けないトークを展開する。番組名は菊池さんが命名したという。蘭有紀子・編成部長は、「菊池風磨さんは、折に触れてTOKYO FMを聴いていると公言していた。縁あって木村拓哉さんの『木村拓哉 Flow』(日、11:3011:55)の直前の枠にお迎えすることができた。菊池さんは、木村さんにバトンを渡せることを含めて喜んでくださっている」と語った。昨年4月に50周年を迎えた『JA全農 COUNTDOWN JAPAN』(土、13:0013:53)は、お笑いトリオ・グランジのメンバーで、『SCHOOL OF LOCK!』の2代目校長でもあった遠山大輔さんと元日向坂46の潮紗理菜さんのコンビに。番組オリジナルのチャート(ランキング)の発表に加えて、ゲストを迎えてのトークも行う。これまで『COUNTDOWN JAPAN』を担当していたジョージ・ウィリアムズさんは、『The Legends with George Williams』(土、7:007:25)で、毎週1組のアーティストの1つのアルバムに絞って、名曲を紹介する。

ニッポン放送は、radikoの月間聴取者数のライブ・タイムフリー・トータル(ライブ+タイムフリー)が4年連続首位(20212月以降50カ月連続での首位)と好調なこともあり、小幅な改編に留めた。プロ野球シーズンに入ったことから『ニッポン放送ショウアップナイター』(火~土、17:50~/日、17:30~ 試合終了まで)を編成。同番組は、ことし59年目を迎え、試合終了まで実況中継する数少ない番組の1つだ。金曜のオールナイトニッポンは、週替わりのパーソナリティ枠が増える。『オールナイトニッポンGOLD』(金、22:0024:00)は、レギュラーの松任谷由実さん、あいみょんさんに加え、スペシャルパーソナリティが登場する。『オールナイトニッポンX(クロス)』(金、24:0025:00)は、毎月最終を人気アイドルグループ&TEAMが務め、その他は週替わりとなる。直近では、3ピースロックバンドのブランデー戦記やお笑い芸人のTCクラクションがパーソナリティを務めるなど、新しい出合いがある金曜となっている。また、通年企画として「昭和100年は、防災100年の歴史」を展開中だ。木之本尚輝・コンテンツプランニング部長は、「ラジオ局として安心・安全を守る報道をすることや防災について前向きに取り組んでいる。日頃から実施している取り組みを、リスナーに届くようキャッチーに1つの企画とした」とねらいを語る。東日本大震災が起こった311日を含む202538日~314日には「ニッポン放送防災ウィーク」を設定し、各番組の中で防災に関する放送を行った。今後も通年での放送や取り組みを行っていく予定だ。

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<昭和100年は、防災100年の歴史>

2024年の秋改編で平日22時台を生ワイド『GURU GURU!』へと大きくリニューアルしたJ-WAVEは、この春の改編は小幅だ。新たに始まった唯一のベルト番組『COMMON GROUND』(月~木、26:0027:00)は1時間まるごとノンストップ・ミュージック。J-WAVEの各番組で選曲を担うミュージックセレクターたちが、多様なテーマで選りすぐった音楽を届ける。5月は「Green Breeze」が月間テーマ。日常の喧騒を忘れた深夜2時という時間帯に、東京の最先端を彩るサウンドや未知のレアな楽曲が織りなすアンサンブルで、音楽好きのリスナーに新しい価値観を提示する。"音楽の解放区"をうたい、プロだけでなくリスナーからも選曲を募るのも注目だ。428日からは日替わりでリスナーのセレクトによる楽曲のオンエアが始まった。「プレイリストという文化も根づいてきた。リスナーへの信頼を込めて、1時間という枠を預け、同じ価値観を持った音楽好きが集う場に育てていければ」と塩田真人・マーケティングデザイン部長。リアルタイムでは聴くことができないリスナーもradikoのタイムフリー聴取で仕事中のBGMとして楽しんだり、SNSを通じて選曲のセンスをたたえあうようなコミュニケーションが生まれているという。同番組のプレイリストは音楽配信サイトSpotifyでもシェアしている。昨年秋改編の取材時に「新たな風を起こしたい」としていた『GURU GURU!』はターゲットの若いリスナー層への食い込みもまずまず。7月13日(日)には早くも番組初のイベント『GURU GURU POWER STAGE』を予定。月~木のナビゲーターが会場のLINE CUBE SHIBUYAで一堂に会し、さまざまな試みにチャレンジする。

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<J-WAVEの"音楽の解放区″『COMMON GROUND』>

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