関西を拠点とした優れた報道活動を顕彰する「第32回坂田記念ジャーナリズム賞」(坂田賞/坂田記念ジャーナリズム振興財団主催)が3月17日に発表され、民放連会員社から次の2件が坂田記念ジャーナリズム賞を受賞した。
【坂田記念ジャーナリズム賞】(第1部門〔スクープ・企画報道〕「放送の部」)
▶読売テレビ放送 報道局・平村香月氏=『NNNドキュメント'24「釜ヶ崎の肖像 明日への3000枚」』
▶関西テレビ放送・「さまよう信念」取材班(代表=報道情報局報道センターディレクター・上田大輔氏)=『ザ・ドキュメント「さまよう信念~情報源は見殺しにされた~」』
「釜ヶ崎の肖像」は大阪市西成区のあいりん地区(通称・釜ヶ崎)を撮り続けてきた写真家を追いながら、過酷な環境下で生き抜く人たちのありのままの姿を映し出したことが評価された。「さまよう信念」は、検察による供述調書をそのまま引用した書籍の出版で医師が逮捕・起訴された事件から「表現の自由」や「取材源の秘匿」などメディア、ジャーナリズムの倫理を自ら問う姿勢が認められた。代表の上田大輔氏は先に第75回芸術選奨の文部科学大臣新人賞も受賞している(既報)。
このほか第2部門(国際交流・国際貢献報道)の「放送の部」でNHKスペシャル取材班(代表=NHK大阪放送局チーフプロデューサー・高比良健吾氏)が『NHKスペシャル「封じられた第4の被曝~なぜ夫は死んだのか~」』で受賞した。第1部門の「新聞の部」は毎日新聞と神戸新聞それぞれの取材班が受賞、第2部門の「新聞の部」の受賞はなかった。
昨年新設され2回目となる海外取材サポート事業で放送局の受賞はなかった。表彰式は3月28日に大阪市で行われる。