在京民放テレビキー5社(日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビジョン)は11月7日に、テレビを活用したマーケティング、ソリューションに興味がある企業を対象とした「テレビカンファレンス2024」を東京国際フォーラムで開催、779人が来場した。「もっと伝えたい、テレビのこと~ビジネスを加速させるテレビマーケティング最前線~」をテーマに、スペシャルステージとサイドステージの2つで講演を実施。総合司会をテレビ朝日の斎藤ちはるアナウンサーが務めた。また、同5社とTVerは会場でブースの展開も行った。
プログラムは同日の午後からスタート。はじめに、Uber Eats Japanの阿部ひとみ・マーケティング部マーケティングマネジャーが「テレビの魅力と可能性 コミュニケーションでまだ見ぬ新しい世界へ」と題して基調講演を行った。広告会社に入社後、楽天やバイトダンス(TikTokを運営)を経て現職に至った阿部氏は、テレビメディアの強みとして「安心・安全、リーチ力、同時認知、公共性」の4つを挙げた。CMは厳しい考査をクリアして放送されていることから、商品やサービスを視聴者にスムーズに受け取ってもらえることや、同時に同じ感情を共有できるメリットが特長と説明。公共性については「ローカルにブランドを浸透させていくのに重要な要素」と語った。続いて、コンテンツ面での事例として2023年にTBSテレビ『音楽の日』での企画CMを紹介した。
<Uber Eats Japan・阿部ひとみ氏>
続く「民放キー5局の編成戦略」では、日本テレビ放送網の江成真二・総合編成センター部長、テレビ朝日の河野太一・総合編成部長、TBSテレビの三島圭太・コンテンツ戦略部長、テレビ東京の工藤仁巳・コンテンツ戦略局次長兼コンテンツ編成部長、フジテレビジョンの中嶋優一・編成戦略センター室長兼編成部長が登壇し、ターゲットやタイムテーブル戦略を語った。ターゲットについて日本テレビ放送網は「コアMAX」を掲げ13~49歳男女をターゲットにして個人視聴率の獲得も狙う。テレビ朝日は「オールターゲット戦略」で年齢層を限らず、すべての人に楽しんでもらう。TBSテレビは10月から「LTV4-59」を採用し、4~59歳の視聴率を重視。テレビ東京は「ALL+サブU39」として、個人全体に加え、若年層に見てもらえる番組には39歳以下の指標も設定している。フジテレビジョンは7月から「コア+10」として13~59歳男女を重視する。タイムテーブル戦略については、各局がそれぞれ自社のタイムテーブルを示し、編成やマネタイズのポイントを説明した。
<左から、日本テレビ放送網・江成真二氏、テレビ朝日・河野太一氏、TBSテレビ・三島圭太氏、テレビ東京・工藤仁巳氏、フジテレビジョン・中嶋優一氏>
質疑応答で力を入れたいマネタイズの方針を問われると、「祝祭性のあるコンテンツ開発」「ライブ感を重視するとともに、大型スポーツコンテンツを複数局で盛り上げる」「常に話題にある番組を出し続けていく」「制作、演出面で配信との違いを出す」「テレビにしか作れない番組を作る」といった声が寄せられた。
このほか、民放連研究所の木村幹夫・研究統括による「テレビの広告効果に関する研究」(概要と結果のポイントはこちら)についての説明、「テレビ朝日とできること -2024-」(テレビ朝日)、「〜最強スポーツ男子頂上決戦×Honda〜 "ファン"を増やす新しいテレビのカタチ」(TBSテレビ)、「地上波テレビCMの新しい運用のかたち『スグリー』」(日本テレビ放送網)、「ちょっといい明日のためにテレ東グループをフル活用」(テレビ東京)、「月9『海のはじまり』×サントリー『金麦』 ドラマとブランドの新しい共創型コミュニケーション」(フジテレビジョン)――と各社の取り組みの紹介、広告会社座談会などが行われた。
<民放連研究所の木村幹夫・研究統括>
なお、一部の内容を除いて12月末までアーカイブ配信を実施中。視聴には本イベントサイト(外部サイトに遷移します)からの申し込みが必要となる。
<各社のキャラクターも一堂に>