総務省「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会」第6回会合 取りまとめ骨子案を議論

編集広報部
総務省「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会」第6回会合 取りまとめ骨子案を議論

総務省「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会」(座長=宍戸常寿・東京大学大学院教授)の第6回会合(※外部サイトに遷移します)が10月23日に開かれた。①民放連、②NHK、③ATP(全日本テレビ番組製作社連盟)からの発表と、④総務省事務局から検討会取りまとめ骨子案の説明があり、意見交換が行われた。

①民放連は堀木卓也専務理事、本橋春紀常務理事・事務局長が出席。「民間放送のコーポレート・ガバナンス強化策(案)」について説明した後、「『放送事業者のガバナンス確保に関する論点整理(案)』(9月24日)に対する民放連の意見」として、▼民放各社と民放連が始めようとしている自主的な取り組みを、行政は、まずは見守っていただきたい、▼「番組内容等への介入にならない範囲」との記述があるが、経営のあり方は番組編集に影響を及ぼすものであり、「介入」が起こる懸念は拭えないと考える。行政の関与は抑制的にしていただきたい、▼「免許に付す条件」とはどのような内容が想定されるのか説明いただきたい、▼民放連が設置するガバナンス検証審議会は平時から非常時まで対応するため、行政のやるべき範囲は自ずと限定されるのではないか――などと述べた。

②NHKは松村勝康経営企画局長が、NHKのガバナンス体制とコンプライアンス確保の取り組みを説明。③ATPは福浦与一理事長が、取りまとめが放送事業者の制作現場の社員にも理解されることで制作環境の改善に向かうことを期待する旨の意見を述べた。

④取りまとめ骨子案では、「ガバナンス確保に関する取り組みの目的」「対象」「方針」「留意事項」「フレームワーク」「事案の未然防止(平時の取り組み)」「事案の発生後の対応」「フォローアップ」――について方向性が示された。「事案の発生後の対応」で、 行政の関与については、▼経理的基礎が脅かされるおそれのある重大な事案の場合には、一定の基準に基づいて当該事案に関する報告を求める、▼当該事案発生後の対応状況等を踏まえて特に必要な場合には、免許において、事業の継続性を確保する観点から条件を付すことについて必要な検討を行うべきであると記載された。
民放連からの「免許に付す条件」に関する質問に対して、総務省事務局は「条件を付すことになるのは極めて限定的な場合を想定しているが、現在の法律においても免許に条件を付与することが可能とされている。その内容は、実際に免許する時点での個別具体的な状況に応じて、必要なものになると考えており、現時点で具体的、網羅的に示すことは困難と思っているが、例えば、経理的基礎が脅かされている状況があるのであれば、その状況を解消するのに必要な措置について報告や実行を求めるような、事業継続性の確保の観点から、必要な条件を付していくことが考えられる」と説明した。また、官民が連携してフォローアップする仕組みのイメージ案として、有識者・業界団体・NHK・行政機関から構成される円卓会議を開催し、情報共有・意見交換を実施することが示された。

意見交換を受け、宍戸座長は「民放連の『民間放送のコーポレート・ガバナンス強化策(案)』と取りまとめ骨子案は概ね理解が得られた」などと述べた。

次回第7回会合は11月中に開催される予定。

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