TBSラジオの番組『脳盗』(日、23・30―24・00)は3月16、17日に、音を立てなければ"盗める"ショップ「盗」を東京・TBS赤坂BLITZスタジオで開催する。11時から18時まで実施し、入場料は無料。東京の10エリアを中心に開かれるファッションとデザインの祭典「東京クリエイティブサロン2024」の一環で実施する。※写真=SEIYA FUJII (W)
店内には、アパレルブランド「Fruit of the Loom」のジャンク品やサンプルを加工した限定のTシャツやスウェット、靴下などが並べられる。これらはお金で購入することはできず、ほしい場合は"音を立てず"に"盗む"しかない――。
薄暗い店内には約200の収音マイクがあり、来店者の挙動音を測定。90秒以内に欲しいアイテムを持ち出すことができれば手に入れられるが、音を立ててしまえば警告音が鳴って即退店。至るところに音が立ちやすい細工が施されているので、難易度も高めとなっている。
筆者は15日、プレス向けの内覧会に参加し、実際に体験した。「めっちゃ良いな」と思ったTシャツを手に取ったところで音を立ててしまい退店となった。「手に入れたい」という気持ちや、90秒というタイムリミット、薄暗い独特な環境などで焦ってしまった。来場する予定の豆(『脳盗』『奇奇怪怪』リスナーの呼称)には、"やりすぎなぐらい"注意し、アイテムを盗むまで気を抜かないでほしい。また、音の立つ洋服はもちろん、ロングコートやスカートはどこかにひっかかるかもしれないのでオススメしない。
同番組のコンセプトでもある「リスナーの大切な可処分時間を盗む」ということと、ラジオ局の強みでもある「音」を掛け合わせた同企画。パーソナリティを務めるTaiTanさん(Dos Monos)は音について「ラジオ局の"資産"だ」とし、それを活かすイベントを目指したという。また、「TBSラジオならでは」というポイントに強くこだわり、TBSラジオが保有するたくさんのマイクを使うこととした。"ラジオ"にこだわりつつ、ラジオ局がこれまでやったことのない企画に挑む姿勢には『脳盗』らしさを感じる。
同イベント以外にも、TaiTanさんの古着を売って稼いだ番組宣伝費で駅広告を北海道「北広島駅」、山梨「富士山駅」、鳥取「倉吉駅」に掲出する企画や、番組内でTBS Podcastの番組パーソナリティを発掘する「脳盗王」(初代王者は街裏ぴんく)など先進的なチャレンジをしている同番組。今後も目が離せない。
なお、「民放online」では同番組のディレクターを務める松重暢洋氏の寄稿文を後日掲載する予定(3月22日掲載)。