「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」が10月28日―11月5日、東京ビッグサイトで一般公開されている。「東京モーターショー」から名称が変わり、自動車業界の枠を超え、スタートアップ企業などとともに「モビリティが実現する、明るく楽しくワクワクする未来」を届けている。
民放連ラジオ委員会(委員長:三村孝成・TBSラジオ会長)とradikoは共同ブース「民放ラジオ99局×radiko Touch! Future Radio in Mobility」を構え、コネクテッドカーのさらなる普及を見据えた自動車とラジオの未来を提案する(10月27日既報)。一般公開3日目となった30日に、同ブースのほか、民放関連の展示を取材した。
<民放ラジオ99局×radikoのブース>
民放連の遠藤会長が来場
まずは、「次世代モビリティ関連」の展示が集う東7ホールの入り口近くにある民放ラジオ99局とradikoのブースに向かった。次世代モビリティをイメージしたコックピットに搭乗し、ダッシュボード上のタッチパネルで好きなラジオ局を選択すると番組がスタート。フロントガラスから見えるドライブ風景は、ブース前面の湾曲型ディスプレイに映し出され、ダッシュボード上には番組や楽曲、CMの情報に加え交通情報や災害・緊急情報がシーンにあわせて表示される。
同日、民放連の遠藤龍之介会長(フジテレビジョン副会長)が来場し、ブースを体験。遠藤会長は「将来、自動運転が可能となれば自動車での移動は余暇時間となる。未来の車載ラジオは、これまで以上にユーザーに選択肢を提示でき、サービスの可能性が広がる」と期待した。また、民放連ラジオ委員会・協調領域対策部会の塩山雅昭委員(TBSラジオ)は「ラジオに興味のある人が立ち寄ってくれるので、ストレートな反応がわかる。また、メーカーなどと関係を作れたことは意義がある」と今回の出展の手応えを述べた。
<民放連の遠藤龍之介会長>
仙台放送と日本生命がコラボ
民放ラジオ99局とradikoのブースの隣には、仙台放送と日本生命保険の共同ブースがある。今回の出展コンセプトは「目から安全運転 脳から安全運転」で、仙台放送が開発した安全運転に寄与するゲームアプリ2つを展示。運転技能向上トレーニング「BTOC(ビートック)」(2022年10月17日に寄稿文を掲載)と、緑内障の早期発見に寄与する「メテオブラスターVR」を体験できる。両社は、同アプリの社会実装で今年8月に東北大学を交えた連携協定を締結しており、今回の共同出展に至ったという。
立ち上げから1年が経過する「BTOC」について「ようやく社会実装のフェーズに入った」と仙台放送の太田茂・ニュービジネス事業部長。仕事で車を使用する業界で導入が進む背景として、「物流の2024年問題(自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることで輸送能力が不足すること)」を挙げ、「ベテランドライバーの雇用や採用が難しくなっていく中で、交通事故は経営リスクに直結する。企業は新しいソリューションを探しているのでは」と話す。
<仙台放送の太田茂氏>
また、太田氏は「人の移動と安全は永遠の社会課題だ。日本生命と共にさまざまな視点から向き合っていきたい」と述べた。日本生命の和田知美・ヘルスケアサービス管理課長は「目の健康領域から仙台放送と連携することになり、来場者からも『なぜこの2社がコラボしているのか』と興味を持ってもらえた。両社の強みを発揮しながら、健康寿命の延伸や地域貢献などに向けた今後の展開に活かしていきたい」と期待を話した。
<遠藤会長も視察>
TOKYO FM ダレハナ公開生放送
TOKYO FMの平日昼ワイド『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(月―木、13・00―14・55)は公開生放送を特設ステージ「H2 Energy Festival」から届けた。11月2日まで連日実施している。設置された椅子は満席で、立ち見のリスナーも。取材当日(30日)の番組テーマは「わたしの超近未来予想」で、山崎さんがリスナーからのメールを紹介するだけでなく、来場者にも直接質問するなど公開生放送ならではの場面もあった。終盤には、Mr.Childrenの『名もなき詩』に合わせて来場者で合唱し、オンエアにのせて大盛り上がりを見せた。
<山崎怜奈さん>
初日の公開生放送を終えたところで山崎さんに感想を聞くと、「良いリスナーに恵まれていると感じました。急にマイクを向けたり、合唱を提案しても、ちゃんとついてきてくれたのでありがたかったです」と話し、「『こういう時にメールを確認している』『生放送終了後にお知らせを録っている』といったラジオ制作の裏側や臨場感を楽しんでいただければと思います」とコメントした。
また、放送前に民放ラジオ99局とradikoのブースを体験した感想も聞いた。どの局を選択したか尋ねると「もちろんTOKYO FMです!」と即答。運転中にダッシュボード上に地震や緊急情報が表示される機能について「客観的な情報を与えてくれるので運転中に災害に遭っても冷静な対応ができると思いました。運転中の情報源はラジオだけなので、カーラジオの重要性は災害時に発揮されるとあらためて感じました」と応じた。
<民放ラジオ99局とradikoのブースを体験する山崎怜奈さん>
ほかにも......
民放関係では、TBSラジオやJ-WAVEのイベントなども。TBSラジオはポッドキャスト番組『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』のトークイベントを29日に実施。パーソナリティの2人が、懐かしい車にまつわる話から、次世代のモビリティまで幅広い話を繰り広げた。J-WAVEは31日、「H2 Energy Festival」でDJイベント『J-WAVE DJ SESSION from TOKYO M.A.A.D SPIN & ザ・ナイトテン4』をプロデュースした。
このほか、日野自動車はラジオのスタジオを模したブースを出展。52年半にわたって文化放送のラジオ番組『走れ!歌謡曲』(2021年3月終了)のスポンサーだったこともあり、ラジオとは縁の深い同社。「深夜に運転するトラックドライバーにとってラジオは心の支えとなる。物を運ぶトラックと電波で情報を届けるラジオに共通点を感じている」と、ラジオスタジオブースを出展した理由を話した。29日には「復活!走れ!歌謡曲」と題した公開収録を実施した。
<日野自動車 スタジオを模したブース>