民放連(会長=遠藤龍之介・フジテレビジョン副会長)は3月19日、第2期「民間放送の価値を最大限に高め、社会に伝える施策」中間報告を発表した。同施策は、2022~2023年度の第1期に続き、2024~2025年度の2年間に民放連が取り組むべき事項をまとめたもので、民間放送としての協調領域を見極めて積極的に取り組むことを基本姿勢とした。(1)人権を尊重し、社会的責任を自覚した事業展開のための取り組み、(2)デジタル社会の深化への対応、(3)放送広告の価値の再浸透、(4)ローカル局、ラジオ局の経営課題の研究と業務支援の取り組み――の4本柱・26項目で構成する。
(1)では、「事業活動における人権への意識を高める方策の検討」として、事業活動における人権関連参考資料の作成や、「人権」についていま一度考えるための民放onlineの企画「シリーズ『人権』」について記載した。このほか、「災害放送に関する情報共有の推進」として、「能登半島地震時のメディアの役割に関する総合調査」報告書などを示した。
(2)は、「デジタル空間の情報流通の健全性や生成AIに関する検討」としてインターネット広告をめぐる調査を実施。違法アップロードされた民放コンテンツに大手広告主の広告が掲出されている実態を明らかにした(関連記事はこちら)。そのほか、「放送番組の不正流通撲滅に向けた取り組みのさらなる充実」における放送番組の違法配信撲滅キャンペーンを継続実施(関連記事はこちら)、「視聴データの利活用の推進」のためのテレビ広報スポットの制作、放送(素材の視聴はこちらから)などをあげた。
(3)については、「テレビ、ラジオの媒体価値・広告効果に関する研究」の項目で、今後取りまとめ予定の報告書について説明。このほか「テレビ広告の価値や信頼性に関する調査研究と資料作成」は、番組制作費などのコスト増に関するアンケート調査を実施し、その結果をもとに、アドバタイザーなどへの周知活動を報告した。
(4)では、放送インフラにかかるコスト削減を目指し、地上テレビ放送の中継局共同利用に向けた活動への協力や、ラジオ社の経営基盤強化対策などをまとめた。