2025年度日本記者クラブ賞 三重テレビ放送「ハンセン病問題取材班」に特別賞

編集広報部
2025年度日本記者クラブ賞 三重テレビ放送「ハンセン病問題取材班」に特別賞

日本記者クラブは4月24日、取材・報道や評論活動などで顕著な業績をあげたジャーナリストらを顕彰する2025年度の日本記者クラブ賞を発表した。民放連会員社からは三重テレビ放送の「ハンセン病問題取材班」が特別賞を受賞した。本賞となる日本記者クラブ賞は日本経済新聞社の大島三緒・論説委員会「春秋」担当兼総合解説センター編集委員に決まった。また、中国新聞社の「決別 金権政治」取材班も特別賞を受賞した。

三重テレビ放送は2001年からハンセン病問題を取材。以後20年以上にわたって岡山県の療養所に通うなど三重県出身の元患者やその家族の苦悩や喜びに寄り添った。その活動はテレビ番組の制作・放送にとどまらず、書籍の出版をはじめ、自治体や市民団体とのフィールドワーク、フォーラムや講演の開催など多岐にわたる。取材に根ざし、差別と偏見を取り除くための地道で多角的な活動が高く評価された。なお、同活動はこれまでに2015年民放連賞特別表彰部門「放送と公共性」優秀や第52回(2014年度)ギャラクシー賞報道活動部門優秀賞などを受賞している。

同取材班の代表を務める三重テレビ放送の小川秀幸編成局長(前報道制作局長)は民放onlineの取材に次のように答えていただいた。
「このたびの受賞は、このうえなく光栄なことと感じています。細々とやってきた取材ですが、その歩みを評価いただいたことは『元患者のみなさんや療養所の今後をしっかり追い続けよ』という叱咤と受け止めています。私は編成局に移りましたが、末永く関わっていきたいと考えています。『わしらのこと忘れんといてください』という三重県出身入所者の言葉を思い出しながら......」

贈賞式は5月29日、受賞者による記念講演会は6月30日にいずれも東京都内の日本記者クラブで開催される。講演会は日本記者クラブの会員だけではなく、一般の読者・視聴者も参加できる。詳細および申し込みは日本記者クラブのウェブサイト(外部サイトに遷移します)を参照。

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