米でESPNとFOXが配信の新サービスを開始 10月からバンドル販売も

編集広報部
米でESPNとFOXが配信の新サービスを開始 10月からバンドル販売も

米国の配信市場でスポーツに注目が集まっている。メディア各社が中継権の獲得や配信体制の強化に力を入れるなか、8月21日に2つの配信サービス「ESPN」と「FOX ONE」が新たに始まった。消費者(視聴者)と直接契約するDTS(Direct To Consumer)のサービスで、ケーブル非加入者や解約者(コードネバーやコードカッター)に加入を呼びかける。また、ESPNとFOXは2つの新サービスを束ねたバンドル販売を10月2日から開始することも発表した。

Disney傘下のスポーツ専門ケーブルチャンネルESPNが始めたのが「ESPN」(リニアチャンネルと同名)。ABCのスポーツ中継、ESPN、ESPN2、ESPNU、SECN、ACCN、ESPNEWS、ESPN Deportesといったリニアサービスに加え、ESPN+、SECN+、ACCNXといった主なチャンネルを網羅。年間約4万7,000本のライブスポーツを配信する。オリジナル番組にはオンデマンド機能も備え、NFL(アメフト)やWWE(プロレス)なども拡充。ESPN視聴用のアプリも新機能が大幅に強化された。価格は月額29.99㌦(約4,400円)。

「FOX One」は、FOX傘下の地上波・ケーブルチャンネルを集約した総合型配信サービスだ。ニュース、スポーツ、エンターテインメントを一つのプラットフォームに統合し、FOX News Channel、FOX Business、FOX Weather、FOX Sports、FS1、FS2、Big Ten Network、FOX Deportes、系列ローカル局やFOXネットワーク本体のコンテンツにアクセスできる。さらに、SVODサービス「Fox Nation」や大学スポーツ専門の有料配信「B1G+」も同一アプリ内でバンドル可能となる。料金は月額19.99㌦(約2,900円)。

「ESPN」と「FOX One」を別々に契約すると合計49.98㌦だが、10月からのバンドル価格なら39.99㌦と約2割引き。両社の幹部は「バンドルによって世界最高レベルのスポーツからニュース、エンターテインメントまで幅広いコンテンツをシームレスで届けられる」と、熱心なスポーツファン向けに利便性を高めていく考えを示した。

DisneyとFOXは以前、ワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)とともにスポーツに特化した配信サービス「Venu Sports」を始める計画を進めていたが、開始を待たずに頓挫している(既報)。立ち上げには数千万㌦規模の開発費が投じられたとされ、そのインフラの一部が「FOX One」に転用されているという。

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